ファイユーム マナレシオ理論(ver.3.1)

ファイユームは、カードの購入・デッキ構築の要素のあるボードゲームである。

どのカードを購入したらよいか、そのカードの強さを決めるうえで、他のカードとのシナジーやコンボを意識しない場合、カードの単体性能で考えることになる。
基準をつくり、それと比較してどのくらい強いか(弱いか)を考えるのがマナレシオ理論である。

※追記(2026.08.01)

マナレシオ理論ver.3から、バラに関わる計算式を変更。

【これまでのマナレシオ理論】

●マナレシオ理論ver.1はこちら

●マナレシオ理論ver.2はこちら

上記マナレシオ理論は、「功績点を稼げるカードのマナレシオが低く産出される」「終盤のカードになるほどバランスが崩れる」など、多くの点で破綻がみられた。

それらを踏まえ、より納得感のある算出方法にたどり着いたのが、本記事「マナレシオ理論ver.3」である。

★マナレシオ理論ver.3.1 カード別一覧はこちら (スプレッドシートが開きます)

理論展開

マナレシオ理論の基本構造となる部分は、

「『コストとして支払うもの』に対して、『報酬として受け取るもの』がどの程度効率的か」

という考え方である。

したがって、資材や金、功績点を数値化し、1手番にカードを使用せず捨て札にした際に2金もらえる(何もしなくても1手番当たり2金相当の動きができる)ことをもとに

【マナレシオ】=『報酬合計』ー『コスト合計』ー2

で表すものとする。

以前の理論では、基本カードの『農夫』をマナレシオの基準としたが、今回の理論では、「カードを使用しなかった」ことよりもどの程度効率的かを表すものとなっているので注意すること。

1 コストのマナレシオ

各カードに記されたコストを、以下のルールに従い換算する。

換算されたコスト合計を上記計算式に適用する。

・ゴールドは、1金につき『1』とする。

・小麦、ブドウ、石材は、1つにつき『2.5』とする。

・任意の資源でよいものは、1つにつき『2.25』とする。

・魚は、1つにつき『2.75』とする。

・バラは、1つにつき『3.5』とする。

・バラを獲得する・増やすことのできる可能性のあるカードは+0.5とする。

以下、上記換算レート設定の理由。

まず、マナレシオ理論ver.2でも触れたように、「3金」を任意の「1資材」として活用することができる。

そのため、「1金」=1として換算するのがわかりやすい。

小麦、ブドウ、石材は、「3金」を「1資材」にすることはできるが、「1資材」を「3金」にすることはできないため、

「3金」>「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)」 が成り立つ。

また、カードの購入には金のみ使用可能なため、資源より金を重く見る。

バラはオールマイティとしてつかえるが、 「3金」⇒「バラ1つ」・「魚1つ」はできないため

「バラ1つ」>「3金」 とする。

魚は、小麦やブドウ、石材に比べて、獲得する機会が少ないので、

「魚1つ」>「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)」 とする。

また、同じ数の資材を求められても、任意の資材(どれでも)でよい場合と、指定された資材でなければいけない場合があり、

任意の資材でよい場合の方がコストとしては軽い。

そのため、 「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)」>「任意の資材1つ」 と考える。

ここまでをまとめると、

「バラ1つ」「3金」>「魚1つ」>「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)」>「任意の資材1つ」

となるので、

「薔薇1つ(3.5)」「3金(3)」>「魚1つ(2.75)」>「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)(2.5)」>「任意の資材1つ(2.25)」

と換算レートを割り振った。

また、名声点は、勝利に直結するもののため、コストとして支払うには重いため、「1名声点」=「3」とした。

カード『116‐出納係』では、「2金」⇒「1功績点」だったため、逆交換レートは少し重くカウントした。

さらに、バラの入手手段は魚の入手手段よりも限られるため、バラを手に入れられる(可能性のある)カードは無条件で+0.5とした。

2 報酬のマナレシオ

各カードに記された報酬を、以下のルールに従い換算する。

換算された報酬合計を上記計算式に適用する。

・ゴールドは、1金につき『1』とする。

・小麦、ブドウ、石材、魚は、1つにつき『2.5』とする。

・任意の資源(ある程度自由に選べるもの)は、1つにつき『2.75』とする。

・バラは、1つにつき『3.5』とする。

・ワニを退治できるカードについては、【Sと2~38のカード(基本カード・序盤カード)】と【40以降のカード(中盤カード~)】に分けて考える。

・【S、2~38のカード】については、ワニ1匹につき、報酬を追加で『+0.6』する。

・【40以降のカード】については、ワニ1匹につき、報酬を追加で『+0.3』する。

・名声点は、『得られる功績点×2.5』かつ名声点を得られるカードは無条件で『+4』とする。

・ただし、名声点を得られるカードでも、安定しないものについては、+4ではなく『+2』または『+3』とする。

・道の直接結合など、追加で功績点を得られる可能性があるものについても、調整し、「得られる名声点」に加算するものとする。

・集落や町に労働者駒を置くカードは、『-0.5』とする。

以下、上記換算レート設定の理由。

コストの換算レートと釣り合うようにしなければならないので、

「1金」=「1」

「小麦1つ(ブドウ1つ・石材1つ)」=「2.5」

「薔薇1つ」=「3.5」

は継続。

「魚」は、他の資材と比べて使い道が限られるため、コストでは2.75であったが、報酬は小麦、ブドウ、石材と同じく「2.5」換算。

「任意の資材」は、カードを使用するタイミングによって、そのときそのときでほしいものを変えるて取得することができるため、他の資材より強いので「2.75」換算。

ワニ退治の分の金については、【S、2~38のカード】を使用する場面では、まだまだワニが盤面に残っていることが考えられるため、ある程度安定してワニ退治が行える。しかし、石材を確保する場合など、必ずしも常に1金が手に入るわけではないので、おおよそ2/3の「+0.6」換算。

【40以降のカード】を使用する場面では、盤面のワニが減っていることが考えられるため、上記換算レートの半分で「+0.3」換算。

功績点は、コストのところでも触れた通り、『116‐出納係』では、「2金」⇒「1功績点」であり

「1功績点」>「2」でないと『116-出納係』が常にマナレシオがマイナスになってしまうため、

「1功績点」=「2.5」とした。

また、勝利に直接影響を与える功績点を得られるカードのマナレシオを大きくするため、

功績点を得られるカードはそれだけで「+4」とした。

一方で、常に安定して功績点を得ることが難しいと考えられるカードについては、バランス調整が入り「+2」や「+3」となっている。

最後に、集落や町、工房に労働者駒を置くカードは、種類も多く、他の人に駒を置かれてしまうと十全に効果を発揮できないことがあるため、汎用性を鑑みて「-0.5」とした。

3 マナレシオの計算

上記換算レートに基づき、『報酬合計』、『コスト合計』を算出し、

【マナレシオ】=『報酬合計』ー『コスト合計』ー2

を計算する。

例1)カード『S-農夫』

コストとして支払うものはないので、

『コスト合計』=0

報酬として「任意の資材を1つ」、「ワニ退治1回」なので、

『報酬合計』=2.75+0.6=3.35

計算すると、

【マナレシオ】=3.35-0-2=1.35

つまり、農夫のカードを使うと、何もせずにカードを捨てて2金を得るよりも、1.35金ほど得をしている、という見方ができるわけである。

例2)カード『S-開拓』

コストとして、「小麦1つ」「ブドウ1つ」「石材1つ」なので、

『コスト合計』=3×2.5=7.5

報酬として「3金」と「3功績点」なので、

『報酬合計』=3+3×2.5+3+4=14.5

計算すると、

【マナレシオ】=14.5-7.5-2=5

このあたりに、「功績点を得るカード」を無条件で「+4」とした基準がある。

もし、「+4」がなければ、『S-開拓』の【マナレシオ】=1 になってしまい、

功績点を得て勝利に近づく『S-開拓』より、資材を集めるだけの『S-農夫』の方がマナレシオが高くなってしまう。

ほかのカードとの兼ね合いも見たりしていく中で、「+4」に落ち着いた。

マナレシオ理論の注意点

マナレシオ理論には、注意点が2つある。

1つめは、「マナレシオが高いカードが、そのまま『強いカード』というわけではない」ということだ。

この理論のスタートは、あくまで、「大量のカードプールのなかから、よいカードを選択する」ための1つの基準・理論にすぎない。

その場の状況、そのときの戦略、自分の構築(ビルド)によって、『強いカードは変わる』ということを覚えておくこと。

2つめは、「マナレシオを計算することができないカードがある」ということ。

『36-盗人』、『64-バザール』、『88-パピルス』の3枚は、teirとしては上位にくるはずのパワーカードであるが、

その特殊性から、マナレシオ理論の枠の中に入れることができない。

数値上はマナレシオが存在しないからといって、弱いカードではないので注意すること。

最後に

最初にマナレシオ理論を考案したのが、2022年の9月。

前回マナレシオ理論ver.2を構想したのが、2024年の1月。

そして、今回ver.3を構築し、Excelやスプレッドシートにまとめたのが、2026年の7月。

マナレシオ理論は、4年の歳月を得て、信頼できるレベルにまで練り上げられた。

しかし、まだ完成でない。

より普遍的で参考になるよう、改良点があれば教えていただきたい。

そして、願わくばver.4を完全版としたい。

risoluto
吟遊詩人。趣味人を気取る教育公務員。

人生とは旅に似ている。



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